探偵・興信所によるトラブルはどのようなものか探偵や興信所に関するトラブルは、実際にどのようなものなのでしょうか。実例を教えてください。
ロトラブル事例探偵・興信所に関するトラブルにはさまざまなケースがありますが、実際の例をみると、次のように大別できます資料0②参照。① 解約をめぐるトラブル契約を解約したが返金してくれない、解約しようとしたら法外な違約金を請求されたなど本章Q5・Q6参照。②債務不履行契約違反によるトラブル調査不十分なので納得できない、説明を受けていた調査をしてくれない、調査報告書を送付してくれない、連絡がとれなくなったなど本章Q8参照。高額な料金の合意に関するトラブル調査料金が高額すぎるなど本章Q7参照。当初の契約内容と異なる不当な請求に関するトラブル契約時の説明にはなかった追加料金や費用を要求されるなど。⑤恐喝依頼した探偵・興信所から、依頼者の秘密をネタに恐喝されるいわゆる「悪徳探偵」の典型例。本章Q11参照。⑥面談・契約締結をめぐるトラブル長時間執拗に契約締結を要求されたり、契約を断ったら暴言を吐かれるなど。⑦口止め料、情報の処分料等の名目で金銭を要求されるトラブル見知らぬ探偵・興所から突然、電話等で、「あなたの調査をした結果、不倫の事実が判明しましたが、〇〇万円払っていただければ依頼者に報告しないことにします」、「調査内容を公表されたくなければ、調査料と処分料を指定口座に振り込んでください」などと要求されるケースで、その中には、実際に調査しているケースと調査していないケースがあります。こうしたやり方は、恐喝または詐欺に該当する場合があります。⑧探偵による尾行や盗聴等の迷惑・プライバシー侵害、意味不明の電話、事業等に関する虚偽の情報の公表・報告など、契約関係にない探偵・興信所によるさまざまな迷惑・被害不法行為⑨化け調探偵・興所による古典的な詐欺商法として、「化け調」と呼ばれているものがあります。これは、実際は企業の肩用調査など依頼されてないのに、中小の下請企業に対し、「実は御社の言用調査をきる大手企業から依頼されました」などと、用調査を依頼れてきたかのように嘘を言い、「この機会に私どもの会員になりませんか」などと言って、興信所の機嫌を損ねたくない下請けの心理に付け込んで入会料を支払わせたり、肩用調査の回数券を買わせるなどする手法です。ちなみに、探偵・興信所の業界では、依頼者が実在して調査することを「本調」あるいは「A調」と呼び、依頼などされていないのに、興信所の会員になることを期待して会社訪問することを「化け調」あるいは「B調」といいます第一部第一章Q3参照。紳士録商法頼んでもいない紳士録を高額で買い取らせたり、高額の掲載料または抹消料を要求したりする商法で、探偵・興信所による古典的な商法の一つです本章Q4参照。人の弱みに付け込んだり、執拗に要求を繰り返したりして、払う必要のないお金を支払わせる点で、⑦の類型に類似し、詐欺または恐喝に該当する場合があります。総会屋の資金源ともなっていたようです。口どのようなトラブルが多い前述した①から@の類型のうち、①から③解約、債務不履行、高額代金のトラブルが圧倒的多数を占めます。料金が高額なので解約したら高額の違約金を請求されたとか①と多、調査不十分で納得できないので、解約してお金を返してほしいが相手が応じない②と@というように、①~色の要因が複合してトラブルが起きているのが普通です。探偵・興信所問題研究会で直接相談を受けた二七事例を分析したところ、巻末資料0のように、ほとんどが調査不十分による解約が問題になっている事案でした。また、大阪府消費生活センター本部が平成一二年から平成一七年までの間に相談を受けた事例のうち、探偵・興信所に関する事案約八〇件の概要を分析したところ、巻末資料②のように、やはり、トラブル要因は、解約、調査不十分、高額が多く、特に解約に関するものが多くなっています。コモラルの低い探偵・興信所の存在こうした被害事例の中には、探偵・興信所は最初から真面目に調査するつもりがないのに、もしくは、調査不可能と知りながら、確実に調査できるように装って、契約を締結しているとしか考えられないケースがあります。このような行為は、刑事上・民事上の詐欺に当たります。もちろん、こうした悪質な探偵・興所ばかりではなく、誠実で優秀な探偵・興信所もいるあるのでしょうが、一部には、相当にモラルが低い業者が存在することは確かです。探偵・興所においても、自分たちが世間からこのような目で見られていることを十分承知していて、大手の探偵社や興信所のホームページでは、悪徳探偵の実例や見分け方などが記載されており、自分のところとの違いが強調されています。しかし、そのような探偵・興信所から被害にあったという相談があるのも事実です。