探偵犬が能力を発揮
調査の精度を上げるために、弊社では、最新機材を積極的に導入しています。アナログだけだと強力な戦力となり得るものも取り入れています。その一つが探偵業界で初めて採用した、探偵犬です。きっかけは、二〇一一分三月一一日に起きた東日本大震災。被災地で、災害救助犬の活躍を目の当たりにしたことが導入を決意させたのです。弊社の探偵犬は、栃木県にある民間の警察犬訓練所で生まれ育ったシェパードで、名前はかのアーサー・コナン・ドイルが生み出した、ベーカー街の名探偵にちなんで「ホームズ」と付けました。一説によれば、犬の嗅覚は人間の100万倍優れているとも言われています。犬の持つ、その特殊能力を活かし、主に行方不明者の捜索で活躍できると考えたのでした。様々な犬がいる中で、警察犬に数多く採用されているシェパードは、知能も高く責任感も強いため、探偵犬にはうってつけでした。よくテレビドラマなどでは、警察犬に靴の匂いを嗅がせるシーンが出てきますが、弊社では服は使いません。最も匂いが染み付いているのは、捜索対象者が使用していた枕カバーです。長期間、洗濯をしないで使しているものの方が、匂いが明確で判別に有効だからです。人が入って行くことが困難な山奥や森林での捜索では、行方不明者がどちらの方向に進んだのか、まったく見当がつきませんでしたが、探偵犬の導入で道筋が開けました。ある時、行方不明者の捜索のため足取りを追って、地方の田舎町までたどり着きました。しかし、それ以上どこへ進んでいけばいいのか、手掛かりがまったく掴めない状況に陥ってしまったのです。そこで探偵犬の出動となったのですが、例のごとく行方不明者の家族から借りた枕カバーの匂いを嗅がせ、最後の目撃情報があった場所から捜索を再スタート。すると、探偵犬は何の迷いも無く地面に残った行方不明者の匂いを嗅ぎながら、2キロほど進み、そこにはうっそうと茂る竹藪が。その中へ分け入ったものの、竹が密集していて探偵犬を先にに行かせ、後ろから小型ドローンを竹と竹の間をすり抜けるように飛ばしため探偵犬を先に行かせ、後ろから小型ドローンを竹と竹の間をすり抜けるように飛ばした。操作する手元ではドローンの映像を逐次確認。しばらく竹林の奥まで行くと、開けた河原に出たのです。そして探偵犬が急に激しく吠え始めました。ドローンが映した探偵犬の横には、怯えている様子の行方不明者がうずくまっていたのです。探偵たちもすぐに別ルートから河原に降り、身柄を確保。自殺という最悪の結末を避けることができました。動物ならではの能力を活かして捜索を行う探偵犬の存在は、探偵たちの日々の調査において役に立っています。